保険業×DX
保険業のDX推進事例と最新技術・システムをご紹介
保険業界においては、顧客管理や契約手続き、アフターサポートなどの業務が多岐にわたり、効率化が求められています
また、顧客ニーズの多様化や競争の激化により、営業戦略の見直しや新規顧客獲得が重要な課題となっています
DXを活用することで、業務効率化や顧客満足度の向上、新規顧客獲得が実現可能です
Dcrossは保険業界のDX推進における活用事例と有効なシステムをご提案します
保険業×DX
導入企業の成功事例を紹介
日本生命保険相互会社
約40~50%のコスト削減を実現した「DX Suite」
日本生命保険相互会社は、「DX Suite」を導入することで、約40~50%のコスト削減を実現しました。
「DX Suite」は、ディープラーニング技術を活用したAI機能を備えたOCRソリューションで、従来のOCRに比べて高い精度で文字認識ができます。さらに、RPAソリューションと連携して自動化を実現することで、効果的な改善が期待できます。
同社は、金融機関窓口販売商品の新契約申込書類の処理において、何百枚もの書類を手入力・目視点検することで生じるコストに課題を抱えていました。
しかし、「DX Suite」の導入により、AI-OCRによるデジタル化と自動点検の組み合わせを利用して、新契約処理業務にかかるコストを約40%~50%削減することに成功しました。
ソニー損害保険株式会社
入電予測の精度向上によるシフト配置の最適化を実現する「Prediction One」
ソニー損害保険株式会社は、「Prediction One」の導入により、入電予測の精度向上とシフト配置の最適化を実現しました。
「Prediction One」は予測分析ツールで、機械学習やプログラミングの専門知識がなくても、数回のクリックで簡単に予測分析ができます。
同社のコールセンター運用では、1か月以上前の各日・時間帯ごとの入電数を予測し、それに基づいてオペレータのシフト配置を決定していました。従来は担当者の知見による予測で、精度や担当者変更時の不安定さが課題でした。
しかし、数か月のトライアル・検証を経て、「Prediction One」が高い予測精度と安定性を持ち、放棄率の改善やオペレータのシフト配置最適化に効果的であることが確認されました。
サイトからの資料請求率wo昨年比1.5倍にした「KARTE」
メディケア生命保険株式会社
メディケア生命保険株式会社は、「KARTE」の導入により施策実行スピードが向上し、昨年比1.5倍の資料請求率上昇を実現しました。
「KARTE」はハイブリッド型Web接客ツールで、あらゆるサービスの顧客体験(CX)向上を目指しており、金融、人材、小売、不動産など多様な業界で導入されています。
同社は、サイトの初回訪問者が資料請求に至らないことや、何度も訪れて資料請求を検討している顧客へのアプローチ方法がないという課題を抱えていました。
しかし、「KARTE」導入後、Web広告予算を3分の2に減らしても、資料請求率が向上し、資料請求数が昨年と同水準を維持。広告のCPA(1件のCVあたりの広告費用の投資対効果)が改善され、効率が向上しました。
保険業
DX推進のメリットを紹介
業務効率化
データ活用
顧客満足度向上
保険業界においてDXツールを導入することで、業務効率化が実現できます。
前述したAI-OCRなどの技術により、従来は請求書の手書き文字を担当者が読み取り、パソコンに入力してデータ化していました。
DXツールを導入することで、手書き文字の読み取りから入力までのデータ化プロセスを自動化することができます。
これにより、入力にかかる手間や時間が削減され、人為的なミスも減らせるため、生産性の向上が期待できるでしょう。
保険業界では、顧客の基本契約情報、属性情報、行動履歴などの多様なデータが存在します。これらのデータを活用することで、より効率的かつ顧客への価値提供が高まることが期待できます。クロスセルがその一例です。
具体的には、顧客に対して既存の保険商品以外の付加価値のある補足保険や関連サービスを提案することで、顧客満足度を向上させると同時に、企業の収益も増加する戦略です。
データ活用により、クロスセル以外の戦略においても顧客満足度向上や企業収益の増加に期待ができます。
保険業界においてDXを実施するメリットとして、「顧客満足度向上」が挙げられます。具体的には、デジタル技術を活用して顧客体験(CX)を向上させることで、顧客満足度が上昇するという点です。
例えば、スマートフォンアプリやウェブサイトを通じて、顧客がいつでもどこでも保険の契約状況や申請手続きを簡単に行えるようにすることで、利便性が向上します。
また、AIチャットボットを導入することで、顧客の問い合わせに対して迅速かつ正確に対応できるようになり、顧客対応の質が向上するでしょう。
このように、DXによって顧客体験が改善されることで、顧客満足度が向上し、長期的な顧客ロイヤルティや企業の収益にも寄与することが期待できます。
保険業×DX
重要になる最新技術とシステム
01
CX(Customer Experience)
保険業界における「CX」(Customer Experience)とは、顧客が保険会社やそのサービスに接触・利用する際に受ける体験の総体を指します。
具体的には、ウェブサイトやアプリケーションの使いやすさ、カスタマーサポートの質、保険商品やサービスの選択肢と品質、料金設定、契約手続きや請求処理のスムーズさなど、顧客が直接的または間接的に関わるあらゆる要素が含まれます。
保険業界では、CXを向上させることが、顧客満足度やロイヤルティを高め、新規顧客の獲得や既存顧客の維持につながります。
そのため、顧客のニーズに応じたサービスを提供し、顧客体験を最適化することが重要です。
02
AI-OCR(Artificial Intelligence Optical Character Recognition)
保険業界における「AI-OCR」(Artificial Intelligence Optical Character Recognition)とは、人工知能(AI)を活用した光学式文字認識技術のことです。
この技術を利用することで、保険業界で扱われる書類(契約書、請求書、医療診断書など)に記載された手書きや印刷された文字を自動でデジタルデータに変換することができます。
保険業界では、これまで人間が手作業で文字を読み取り、データ入力を行っていましたが、AI-OCR技術の導入により、これらの作業を自動化することができます。
結果として、業務効率の向上、人為的なミスの削減、コスト削減などのメリットが得られます。
03
AI(人工知能・機械学習)
保険業界では、AIを活用することで保険商品の提案や損害調査の自動化、保険金支払いのスピードアップ、保険契約の精度向上など、様々な分野で効果が期待されています。
例えば、損害調査の自動化の場合、画像解析技術を使った被害箇所の自動検出に活用されています。
具体的には、事故や災害による損害を被った場合、保険会社は損害調査員を派遣し、被害箇所を確認する必要があります。この作業を画像解析技術を使って自動化が可能です。
例えば、自動車保険の場合、被害車両の写真をAIが読み込んで、どこにどのような損害があるかを自動的に検出することができます。結果として、保険金の支払いに必要な時間が大幅に短縮され、顧客満足度の向上が期待できます。
04
AIチャットボット
保険業界におけるAIチャットボットとは、人工知能を搭載したチャットボットのことです。
保険会社のウェブサイトやアプリに組み込まれており、顧客が質問や相談をすると、AIが自動的に回答します。
一部の保険会社では、保険の契約申し込みや変更などの一定の手続きもAIチャットボットが処理することができます。
AIチャットボットは24時間365日稼働し、顧客が煩わしい手続きや長時間の待ち時間を避け、スピーディーかつ簡単に保険の手続きや問い合わせができるため、多くの企業が導入を進めています。顧客体験や顧客満足度の向上につながるため、注目されている技術です。
05
RPA(Robotic Process Automation)
RPAとは、Robotic Process Automationの略で、ロボットによる業務自動化を指します。
保険業界では、保険金支払いや契約処理など、繰り返し行われるルーティン業務を自動化することで、業務効率の向上やエラーの削減を目的としています。
RPAを導入することで、保険金支払い処理の担当者は決まりきった通常パターンをRPAの自動化に任せることができ、複雑なパターンの保険金支払い処理に注力することができます。そのため、従来は複雑なパターンの支払い処理が支払い遅延してしまっていたところを期日内に処理することが可能になります。
顧客は保険金をすぐに欲しい状態であることから、迅速な保険金の支払いは顧客ニーズを満たし、顧客満足度向上に期待ができるでしょう。